60周年によせて
あさかホスピタルとゆかりの深い皆さまより
60周年によせてお言葉をいただきました。
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社会医療法人あさかホスピタル
理事長・院長佐久間 啓
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東京都立松沢病院
院長水野 雅文
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社会医療法人あさかホスピタル 副理事長
介護老人保健施設 啓寿園 施設長佐久間 正
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社会医療法人あさかホスピタル
理事・副院長新国 茂
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社会医療法人あさかホスピタル
診療部長森 由紀子
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社会医療法人あさかホスピタル
地域診療部長・60周年事業実行委員長喜田 恒
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社会医療法人あさかホスピタル
理事・児童思春期診療部長佐久間 睦貴
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社会医療法人あさかホスピタル 理事
エグゼクティブマネージングディレクター渡邉 忠義
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社会医療法人あさかホスピタル
理事・ディレクター矢吹 公夫
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社会医療法人あさかホスピタル
ナースディレクター河野 千秋
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社会医療法人あさかホスピタル
相談支援室マネージャー
60周年事業事務局長桑原 純一朗
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社会福祉法人 安積福祉会
ゼネラルマネージャー樫村 剛
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社会福祉法人 安積愛育園
ゼネラルマネージャー品川 寿仁
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NPO法人アイ・キャン
施設長高橋 豊
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有限会社アサカサービスセンター
代表取締役青木 瑠依子
60年を迎えて
社会医療法人あさかホスピタル
理事長・院長 佐久間 啓
あさかホスピタルは60年前に医療法人安積保養園として故佐久間有寿理事長によって子どもからお年寄りまで、すべての年代の脳と心の総合病院を目指し開設されました。開設早期から児童病棟に取り組み、関連施設として社会福祉法人安積愛育園を設置して重度の障がいを持つ子どもたちの医療、福祉にも力を入れました。また県内初の民間での特別養護老人ホームを開設するなど、医療福祉介護を総合的に展開してきました。愛情、奉仕、和、進歩の病院理念は今も職員の胸に刻まれていると思います。
私は30年前に院長として赴任し、それ以来、地域で信頼され、必要とされる病院造りを常に考えてきました。精神疾患に罹患し、精神障害を患うことはご本人にとっても、ご家族にとっても人生の大変大きな試練です。その方々のために、病院機能を高め、質の高い医療や支援を提供すること、療養環境を整備し、よりリラックスして、ご本人もご家族も安心して治療を受けられること、そしてそのために病院で働く職員一人ひとりが、患者様やご家族に心から寄り添い、心の声に耳を傾けることが何より大切です。
この60年の間に日本の家庭も、学校も、職場も、社会が大きく変化し、ITやデジタル化を含め、人々の生活は元より、コミュニケーションや心のあり方も目まぐるしく変化してきました。地域社会の変化や高齢化が進む中で、社会が精神科医療に求めるニーズが大きく変化し、変化に応えようとあさかホスピタルも改革を重ねてきました。私が赴任してからの30年の歩みの中では、目的や価値観を共有して一緒に歩んでくれる職員がたくさん増えたと実感します。そして沢山の地域の皆様に、あさかホスピタルの想いや目指すものへのご理解とご協力を頂けたことを心から感謝申し上げます。
今後も、職員とともに、温かい、心のこもった病院として、誠実な心の医療を通して、疾病、障害、経済状況、或いは様々な嗜好の違いなどの多様性に寄り添い、誰もが胸を張って幸せに生きることのできる地域づくりを目指してまいります。
60周年お祝い申し上げます
東京都立松沢病院
院長 水野 雅文
あさかホスピタルの創立60周年、誠におめでとうございます。佐久間啓先生には、慶應義塾大学病院精神科フレッシュマンの時に最初のオーベン(指導医)として注射の打ち方、血圧の測り方からご指導頂き、今日まで40年にわたって、本当にたくさんのことを学ばせて頂いています。特に、2000年から始まったささがわプロジェクトは、長期入院の患者さんを地域の中でその人らしく生活できるように、医療だけでなく、さまざまな地域資源を組み合わせた包括的な支援システムを目指したとても先駆的な取り組みでした。これを端緒に、心の病の治療に留まらず、心の健康増進にとって重要なことと位置づけ、地域で暮らす人々の幸福感や満足感を高めるようブオーノブオーノやはじまりの美術館など、グループ全体で地域共生社会の実現を目指して歩んでいます。障害者に対する理解や施策で遅れを取っている日本の中で、地道に共生社会を実現していくことは地域を活性化することにも繋がります。これからも予防から回復まで、さらに心の健康づくりまで、包括的な心の健康づくりに貢献して頂けることを祈念しております。
あさかホスピタル創立60周年に
寄せて
社会医療法人あさかホスピタル 副理事長
介護老人保健施設 啓寿園 施設長
佐久間 正
あさかホスピタルは、おかげさまで創立60周年を迎えることが出来ました。これもひとえに皆様のご支援・ご協力のおかげと心より感謝申し上げます。
医療法人安積保養園附属(現:あさかホスピタル)老人保健施設 啓寿園は、故佐久間有寿理事長により平成3年3月開設され、平成12年4月 介護保険法施行に伴い、介護老人保健施設 啓寿園に名称を変更、私は同年8月より故佐久間有寿理事長の意思を受け継ぎ、佐久間啓理事長と共に啓寿園施設長として、高齢社会に向けての介護や認知症医療の体制の整備に努めて参りました。
その後、電子カルテシステムの稼働、施設基準「認知症専門棟」の取得、介護予防事業開設、平成28年には老年期包括チームが始動し、あさかホスピタル、安積福祉会の各介護施設との連携を強化しながら、令和3年3月に啓寿園は30周年を迎えることが出来ました。
これからもあさかホスピタルグループの一員として、利用者一人一人の心と人格を尊び、質の高い心のこもった医療・介護の提供に尽力して参りたいと思います。
創立60周年記念に寄せて
社会医療法人あさかホスピタル
副院長 新国 茂
社会医療法人あさかホスピタル創立60周年、誠におめでとうございます。
佐久間有寿前理事長,佐久間 啓現理事長はじめ、創立以来、あさかホスピタルの発展に寄与された職員の皆様には大変にご苦労様でした。
私は平成4年から約32年間の勤務となり、昭和50年に医師となってからの多くの期間をあさかホスピタルにお世話になっております。あさかホスピタルの改革については昨年の創立記念日での勤続30年のご挨拶に記載いたしました。
翻って、この間の日本における精神科医療の進歩と変化という点で私見ではありますが、いくつかに挙げたいと思います。一つは精神分裂病から統合失調症の病名変更で、これにより、病名告知が進んだと思われます。次には第二世代抗精神病薬の開発により、副作用の軽減が図られ、また、クロザリルにより、難治性の統合失調症患者に福音をもたらしました。その他、医療観察法の施行、精神科クリニックの増加、発達障害者の受診増加などが挙げられます。
しかしながら、精神疾患の多くで、なお、その原因が解明されていないのが現状です。今後の精神疾患の原因究明や精神科医療の更なる発展を期待しております
あさかホスピタル創立60周年に向けて
社会医療法人あさかホスピタル
診療部長 森 由紀子
あさかホスピタル創立60周年まことにおめでとうございます。私があさかホスピタルに赴任したのは平成11年4月でした。その頃はまだ古い病棟があった時期でした。その後、花の棟、光の棟、森の棟と次々に新しい病棟が建設されその節目の時期に立ち敢え、最先端の精神科医療に携わらせていただき、本当に光栄でした。また、医療機能評価の認定、更新にも関わらせていただき、直近2回は対策委員長を仰せつかりましたが職員一丸となって受審し、認定を受けられたことを大変うれしく思っています。東日本大震災や新型コロナウイルス感染症などの大変な出来事もありましたが職員の皆様の頑張りで乗り越えてこられました。私は現在、主に認知症を始めるとする高齢者医療にかかわらせていただいておりますが今後ますます高齢化が進み、地域の要望も高まっていく分野だと思っています。微力ながらお力添えできるように今後もより一層頑張りたいと思います。
60周年によせて
社会医療法人あさかホスピタル
エグゼクティブマネージングディレクター
渡邉 忠義
60年前にあさかホスピタル(安積保養園)が生まれた時、そこには新しい価値観が存在した。一方でそれが目新しく先鋭的のため、敬遠されたり忌避される場面にも遭遇していたのではないかと思う。そこから十干十二支60年、荒波に揉まれながら逞しく歩んできた。今まさに名実ともに社会に受け入れられ、あたりまえに社会的使命を果たす法人として認知されている。
改めてスタートラインに立った私たちには、後世に残すべき"あさか"の伝統と文化の継承、自由で大胆な発想で新しい価値あるものの創出が求められている。"あさか"が育てた多くの人財とこの地の持つ温かいフィールドで、これからも多くの夢の実現が期待されている。
私には60年後の素敵な未来を再び見ることはできないが、"あさか"というキャンバスに、保健・医療・福祉・介護という筆を駆使してこれからもできうるかぎり愛情・奉仕・和・進歩の絵を描き続けてみたい。
60年の歩みと感謝
社会医療法人あさかホスピタル
ディレクター 矢吹 公夫
当法人が創立60年を迎えることができましたのも、地域の方々のご理解、ご協力によるものと、開設から今までに勤務されてきた多くの職員のお力があったからだと思い感謝致します。
私事になりますが、2000年8月に入職し、23年間勤務させていただいております。その間に、創立40周年事業、50周年事業、あさかフェスティバルがスタート、病院機能評価の受審、電子カルテシステムの稼働、病棟再編、光の棟竣工、森の棟竣工、スーパー救急病棟・児童思春期病棟の稼働など多くのことに関わらせていただき、大変なこともありましたが今ではいい経験といい思い出となっております。昨年に森の棟が全て竣工し病棟・外来・デイケアセンター・在宅支援部門などが整備され、ご利用いただく患者様には良い治療環境が整ったと感じております。これからも当法人が地域の精神医療の基幹病院として、創立70年、80年、100年を迎えられるよう、事務の立場から微力ですが支えて参りたいと思います。
あさかホスピタルとの20年
社会医療法人あさかホスピタル
ナースディレクター 河野 千秋
私はこのあさかホスピタルの近くで生まれ育ちました。小さい頃は「保養園」と呼ばれていて、お墓参りに来た時に窓から手を振る患者様を見たり、患者様とスタッフがうちの前を通って阿武隈川へ向かって散歩しているのを見かけたりしていました。
時を経て看護師となり、精神科の魅力にひきこまれました。自分の知らない世界、自分の考えや価値観がすべてではないこと、いろいろと考えをめぐらせることが、難しくもあり楽しかったのだと思います。ストレスケア病棟が立ち上がったことを知り、「ここでは新しい精神科が始まっているのかもしれない!」そんな思いで就職を決めました。
それから20年。精神科看護の魅力は衰えません。それはこのあさかホスピタルの精神科医療に、ともに働いている仲間に、なにより佐久間院長の理念に、たくさんの魅力を感じ、そのチームの一員である自分に誇りを感じているからだと思います。この先も素晴らしいあさかホスピタルを近くで見ていきたいと思っています。
あさかホスピタル創立60周年に
寄せて
社会医療法人あさかホスピタル
地域診療部長・60周年事業実行委員長
喜田 恒
あさかホスピタル創立60周年、誠におめでとうございます。
小生が当院に最初に赴いたのは平成23年5月、震災による混乱がまだまだ色濃く残る状況下でした。初期臨床研修医としての僅か1ヶ月間の滞在ではありましたが、避難所となっていたビックパレットに通わせていただいたり、「ささがわプロジェクト」との出会いがあったり、様々な貴重な経験をさせていただき、精神科3年目となった平成26年4月からの本格的な赴任に至っています。それから10年、当院の歴史と比べれば実に短い期間ではありますが、当院の掲げる理想の精神科医療に少しでも貢献できるよう、精神疾患を抱えた方々が社会の一員として「普通に」過ごしていただけるよう、自分なりに努力してきたつもりです。しかしそもそも精神科医療は医師1人の力ではどうにもならないところがあります。多職種による少々「お節介かも」的な、少々「うざいかも」くらいの関わりが当院のスタッフには根付いており、60周年事業における様々な取り組みにもそれらが表れておりました。結果、70年、80年と続く当院の未来、当院が発する精神科医療の未来はどう考えても明るいものとならざるを得ないと確信しているところです。
今後も引き続き、皆様の温かいご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。
過去、今、未来
社会医療法人あさかホスピタル
60周年事業事務局長 桑原 純一朗
あさかmingleという周年事業テーマのごとく、たくさんのヒトやモノと"ともに混ざり合って"進化し続けてきた60年の歴史と、それを支えたすべての皆様に感謝いたします。
さらには、還暦という節目の祝い時に事務局長という立場で携われたこと、その今を支える仲間たちとともに働けていることを誇りに思います。
かつての佐久間有寿理事長から佐久間啓理事長に受け継がれたよつばの精神とクレドの存在は、様々な困難や課題に向き合い、チャレンジする職員の熱いこころを育み、有機的な多職種多機関連携による質の高い実践の糧となっています。
ミンナが共に支え合い幸せな社会をつくるという壮大な物語を、医療・福祉・介護を担う立場から実話にするため、私たちはこれからも、病いや障がいの改善のみならず、つながりや居場所づくりを通して、その人の望む暮らしの実現をサポートしてまいります。
グループ法人とのつながりをさらに強化し、地域のなかに在る法人として、患者さんや利用者さん、そのご家族、そして地域で暮らす人々と共に生きていくあさかホスピタルグループとして、私たちはこれからもこころの声に耳を傾け、その声に応えていきます。
あさかこころクリニック
院長 佐久間 春菜
地域と共に歩んだ60年
社会福祉法人安積福祉会
樫村 剛
あさかホスピタル創立60周年を迎えるにあたり、私たち安積福祉会は、あさかホスピタルグループの一員としてこの記念すべき節目に対して心からお祝い申し上げます。同時に、長年にわたり支えて下さっている関係各位、地域の皆さまに対しまして深い感謝の意を表したいと思います。
あさかホスピタルグループが展開している様々な活動の中で「あさかフェス」は、回を重ねるごとにグループ間の連携を深化させながら地域への貢献を続けてきた象徴です。健康と福祉をテーマにしたこの祭典は地域の方々に多くの笑顔と元気を届け、より地域との絆を深めてきたと肌で感じております。
私たちあさかホスピタルグループが取り組む共生社会実現のため、地域の方々、職員が日々ウェルビーイングを感じる活動をこれからも続けていき、そして1963年の歴史から受け継いできたDNAそしてクレドと共に多くの人々の笑顔と心のつながりを大切に、未来へ光輝いていってほしいです。
あさかホスピタルと共に
社会福祉法人安積愛育園
ゼネラルマネージャー 品川 寿仁
1963年にあさかホスピタル(安積保養園)が開設された4年後、佐久間有壽前理事長は、障害のある子ども達に「医療」と「教育」と「生活の場(福祉)」の環境を整えるべく安積愛育園を設立しました。当時の知的障害児施設安積愛育園には、目前に主治医が常駐し、地域の小中学校の分室や県立郡山養護学校安積分校が隣接設置され、50年以上前からあさかホスピタル(医療)、支援学校(教育)、安積愛育園(福祉)のそれぞれが子ども達のため戮力協心してきました。
2000年佐久間啓理事長が継承し、その先導によりグループがさらに連携し、包括的に地域共生社会の実現に向け躍進し、地域に必要な福祉資源・ニーズにあわせ事業を展開し、現在では12の障害福祉サービスと2つの公益事業(はじまりの美術館、こども食堂)の14事業を運営しています。近年でも障害者関連施設が町内に開所することに受入れ難い地域もありますが、事業展開や利用者様の地域生活を推進するなかで、地域の皆さまの理解や受容的な地域性に助けられ、支えられ、これまでつつがなく歩み続けることができました。
この安積の地で皆さまと共に歩んだ日々がグループへの信頼として受入れていただいているものと感謝しております。また、その信頼と期待と思いが力となり、私たちは利用者様の幸せと地域福祉の向上、社会貢献に努めることができるのだと実感しています。
今後もあさかホスピタルグループのクレド「心の声に耳を澄まそう」を心に刻み、地域に必要とされる魅力ある法人として「誰もが安心して暮らせる街づくり」を実践し、グループの一員として歩み続けたいと思います。
あさかホスピタル創立60周年誠におめでとうございます。
創立60周年に寄せて
NPO法人アイ・キャン
施設長 高橋 豊
社会医療法人あさかホスピタル創立60周年にあたり、今ここに自身が在ることに喜びを感じ、共に歩めていることに大変感謝しております。
私は今から20年前、まさに"ささがわプロジェクト"のスタート直後に、県内の精神科病院から移り、そのプロジェクトの一員として従事させていただきました。私が作業療法士となった1998年頃は、国が社会的入院の問題を大きく取り上げるも、地域の社会復帰資源は圧倒的に不足している現状でした。地域移行、地域定着支援の先駆けとなる"ささがわプロジェクト"は、知れば知るほどその構造化されたプログラムとチーム構成、佐久間啓理事長のこれからの精神科医療戦略にとても感激し、強い思いをもってチームの一員にさせていただきました。今もその第一線に従事し、明るい未来につながるように尽力しております。
10年ごとの節目、その歴史から学びつづけ、あさかホスピタルの未来にしっかりとつなげる責務を果たしていきたいと、微力ながら感じております。
共生との出会い
有限会社アサカサービスセンター
代表取締役 青木 瑠依子
あさかホスピタル創立60周年、誠におめでとうございます。
「共生」という言葉は、今でこそ地域包括ケアシステムの根幹としてあらゆる場面で見聞きすることが増えましたが、約20年前に入職した時、既にあさかホスピタルグループの中では、佐久間理事長の考える価値と倫理規範として「共生」という言葉が浸透し、職員の共通言語として使われており、恥ずかしながら浅学菲才な私は鮮烈な印象を受けたことを今でも覚えています。共生とは何だろうか、という問いとともに仕事に関わらせていただきました。はじまりの美術館のアート、SOのスポーツ、パン工房やワイン、患者様の食事や子ども食堂の食、自然豊かな農場などの様々な地域共生活動やアサカサービスセンターの事業を進めていくなかで「共生」という言葉の本質に触れることができたのは幸せなことだったと思います。今後も、あさかホスピタルグループが地域とともに存在し、共生社会の実現に向けて活動を進めていくことに少しでも力になれればと思います。
祝辞
社会医療法人あさかホスピタル
理事・児童思春期診療部長 佐久間 睦貴
あさかホスピタル創立60周年、誠におめでとうございます。
これまで関わってきた皆さまのご尽力と、現在働かせていただいていることへ感謝申し上げます。
私は当院に勤務して4年目となり、児童精神科診療を行っています。以前には医学生の実習で病院と関連施設を周らせていただき、スタッフの皆さんの奉仕の精神と、訪問看護に同行した際の患者さんの自宅での生き生きした姿と外来での様子があまりに違うことに衝撃を受けたことが印象に残っています。また、あさかホスピタルグループが医療福祉介護を展開し、ささがわプロジェクトや共生事業など地域のニーズに応え誰もが共に生きられる社会の実現を目指し変革してきた歴史を知り、感銘を受けました。
遅まきながら知ったのは、当院の開設当初、今は馴染みのある発達障害という言葉すらない時代に、故佐久間有寿理事長が児童病棟を作り重度の障がいを持った子ども達を支援していたことでした。このような歴史の中で子どもの診療に従事させていただくことを光栄に思います。
昨今、子どもの不登校、いじめ、自殺は増加の一途を辿っています。様々な傷つきを抱えて既存の診断に当てはまらない症状を呈する子どもが多くいます。心の傷つきは目には見えず、子ども自身が気がつかないこともあります。「心の声に耳を澄まし」、子どもがどんな人生を歩んできたのか、愛情を持って思いを馳せることが、子どもの心を育むこととも感じます。しかし、トラウマに対峙するとき、愛情と奉仕で接しようとすればするほど支援する側が傷ついてしまうこともあります。和の精神でお互いが支え合い、正しく知り学びながら進歩し、職員自身、そして職員同士の心の声にも耳を澄ましながら、患者さまとご家族を支援していけたらいいなと思います。
これからもあさかホスピタルが温かく、しなやかに発展していくことを祈願しております。